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2012年1月

1月 22 2012

昨今の多重債務事情と統計

 昨年6月に貸金業法が完全施行され、個人の方がサラ金やカード会社から借りられる金額は、原則年収等の3分の1までに制限されました。
 完全施行前には、「サラ金から借りられない人が、ヤミ金被害にあう」「破産者が激増する」など、完全施行に反対する声も聞かれました。

 完全施行から1年半ほどが経ちましたが、裁判所の司法統計を見る限り、ごく短期的には多少個人の自己破産の件数は増えたようですが、その後は件数も減少し、一昨年に比較して昨年の自己破産件数は減少しています。
 昨年の自己破産件数は、ピーク時に比べ6割を大きく割り込んでいますし、今年も10月までの統計では、昨年同時期に比較して85%以下にとどまっています。
 個人的には、「借りられないことが破産の原因になる」のではなく、「安易な貸付が多重債務者を生み、破産を増やす」という実態があるのだと考えています。

 ヤミ金についても、弁護士業務の実感としてヤミ金が増えたという声は聞かれず、各種相談センターの相談内容の推移などからして、少なくとも統計的にはヤミ金の相談が増えたという事実はなさそうに思われます。
そもそもヤミ金の顧客の多くは、サラ金への返済を迫られた多重債務者であったと考えられますので、「サラ金から借入が出来ない人がヤミ金に走る」のではなく、「サラ金から借りている人が減り、ヤミ金の顧客も減った」のではないかと思われます。

 統計が全てではありませんが、統計から見るかぎりでは、貸金業法の完全施行について心配したような弊害はなく、破産者もヤミ金も減り、より望ましい状況になったといっても良いのではないかと思います。

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1月 12 2012

ギャンブルによる借金と自己破産

 今回は、過去の解決事例をご紹介します。

 一人暮らしの高齢者Aさんは、病気で働けなくなって借金の返済に苦慮していたところ、ある業者より、「パチンコの当たり台の情報を買わないか」と電話勧誘を受けました。Aさんは、他に借金を返す手段を思いつかなかったことから、サラ金などから更に借入をし、この業者に情報料を支払い、パチンコをするようになったものの、結局、借金を増やしてしまったということでした。
 ギャンブルで借金を増やしたことで破産する場合は、法律上、免責(借金の支払義務の免除)を受けられないのが原則です。免責を受けられないのであれば自己破産をする意味がありません。Aさんも、前回の法律相談でその話しを聞き、一時は自殺を決意して身の回りの荷物を整理したものの、最後にもう一度話を聞いてみようと思い、法律相談に来たとのことでした。

 聞くと、Aさんの収入は月額数万円の年金のみであったことから、直ちに生活保護の申請をしてもらい、同時に、自己破産の手続を進めました。自己破産に必要な費用は、法テラスにて立て替えてもらいました。なお、生活保護受給者は、弁護士費用だけでなく、裁判所へ納める予納金についても、援助を受けることが可能です。
 実務上、ギャンブルで借金を重ねた場合でも免責を受けることができるケースは多くあります。Aさんも免責を受けることができ、借金から解放され、今では前向きに生活をしておられます。

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1月 02 2012

受任通知について

 弁護士は、依頼者の皆様から借金問題を受任すると、まず、各債権者に対して、受任通知という書面を発送します。

 この受任通知とは、どのようなものでしょうか。

 第一に、受任通知とは、文字どおり、債務整理を弁護士が受任したことの「お知らせ」です。
 しかし、単なる「お知らせ」にとどまるものではなく、受任通知には、貸金業者に対し借金の取立を中止させるという効果があります。
 この効果は、貸金業法に根拠があり、違反すると行政処分や罰則の対象となるなど、強力な効果が認められています。
 そのため、実際にも、ほとんどのケースで、弁護士が受任通知を発送することによって債権者からの催促が止まっています。
 このようにして、生活の平穏を取り戻した上で、落ち着いて、債務整理をすすめていくことになるのです。

 もっとも、受任通知を送る際には注意点もあります。
 一つには、俗に「ブラックリスト」とよばれる民間の信用情報機関に登録されることがあげられます。
 破産をしなくても、受任通知を発送することで債務整理を行なうことが分かると、そのことが信用情報に登録されてしまうので、注意が必要です。
 また、連帯保証人がいるような場合には、受任通知を発送することで、連帯保証人に請求がいくことになります。

 そのため、依頼者の皆様から債務整理を受任する際には、今後の見通しだけでなく、このような受任通知を送ることによるデメリットについても事前に十分ご説明させて頂くよう心がけています。

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