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6月 15 2010

【Q&A】 9. 預貯金がある場合、破産手続開始を申し立てれば、預貯金を全部差し出さないといけないのでしょうか。

3:00 PM Q&A

破産をすると、全ての財産を処分されてしまうと誤解されている方が多いようです。しかし、破産手続開始を申し立てる場合でも、一定の財産については破産者の下に残すことが認められており、預貯金についても維持することができる場合があります。
まず、同時廃止事件となった場合には、財産の換価等は行われませんので、預貯金を債権者に対する配当原資として差し出す必要はありません。名古屋地方裁判所の運用基準では、債務者の総資産額が40万円に達しない場合には同時廃止事件とするとされています。(ただし、30万円以上の価値のある個別資産がある場合(例えば、各預貯金の合計額が30万円以上の場合)には、債務者の総資産額が40万円を超える恐れがありますので、同時廃止事件とはならず破産管財事件となるものとされています。同時廃止事件となるかどうかは、個別の事情により異なりますので、具体的な基準については、弁護士にご相談ください。)
これに対し、債務者の総資産額が40万円を超える場合には、同時廃止事件とはならず破産管財事件となります。破産管財事件となり裁判所から破産管財人が選任された場合には、破産管財人によって財産の換価が行われますので、原則として、預貯金等は全て換価処分され、債権者に対する配当原資となります。
次に、破産管財事件となった場合でも、自由財産拡張の申立てをして、裁判所より自由財産拡張の決定がなされた場合には、自由財産拡張の決定があった預貯金について解約する必要はありません。裁判所は、自由財産の拡張決定をするに当たって、破産管財人の意見を聴かなければならないとされていますが、名古屋地方裁判所の運用基準では20万円以下の預貯金については、原則として拡張相当として換価をしない扱いとなっています。
したがって、自由財産拡張の決定がなされた預貯金については、解約することなくそのまま維持することができます。
同時廃止事件と破産管財事件の振り分けの基準は、各裁判所によって運用が異なりますし、その判断も難しいものといえます。あなたのケースについて具体的にどうなるかについては、弁護士にご相談されることをお勧めします。

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